保険診療の部分入れ歯の特徴・費用について

部分義歯

1本から作れる部分入れ歯について

部分入れ歯とは

歯が抜けてしまったら、代わりになる歯を入れなくてはなりません。歯が無いまま放置してしまうと、他の歯まで倒れてきてしまいます。ちょうど、ドミノ倒しのようなことが口の中で起こってしまうのです。

部分入れ歯は、入れ歯を支える留め具(クラスプ)とアクリルレジン(樹脂)の部分でできた入れ歯のことで、保険診療で製作が可能な入れ歯ですので、患者様は1割〜3割の負担で治療を受けることができます。

国民健康保険を利用して抜けた歯の治療する時は、まず部分入れ歯が1番目の選択肢に挙がるかと思います。

入れ歯というと否定的に思われる方もおられますが、さまざまな症例に対応できる入れ歯はとても有意義な治療方法です。

部分義歯

部分入れ歯の特徴

様々な形で製作できる

部分入れ歯は残っている歯に金具(クラスプ)を掛けることで安定させる入れ歯です。つまり、残っている歯があれば様々な形に作ることができます。

奥歯は比較的早くに失われる歯ですので、奥歯1本〜3本だけの入れ歯はよく見られる入れ歯です。前歯が1本だけ折れてしまった場合は前歯だけの入れ歯・前歯以外が無い時は両側の奥歯を橋渡しにしたような入れ歯も作れるのです。

修理が簡単

総入れ歯のような大きな入れ歯が合わなくなったら、大幅に作り直さなければなりません。部分入れ歯は比較的小さく、合わなくなった時も少ない調整で済みますので、治療の費用も抑えられます。

バラバラになってしまった・金具が無くなってしまった等の大きな破損でない限り、当日中での修復が可能ですので、入れ歯が無くて不便をする時間も少ないと言えます。

フレアーアウトを防げる

奥歯は噛む力も大きい重要な歯ですが、大抵の場合で早々に抜けてしまいます。抜けた奥歯を放置していると、奥歯にかかっていた力が他の歯に加わるようになり、段々と前に倒れていきます。これをフレアーアウトと言います。

フレアーアウトを防ぐためには、奥歯の代わりに機能する別の歯を用意して、バランス良く噛む力を使う必要があります。その治療を最も手軽に進められるのが部分入れ歯治療です。

部分義歯

部分入れ歯のデメリット

支えの歯に負担がかかる

部分入れ歯は健康な歯を支えにして安定させる入れ歯ですが、金具の部分が健康な歯にずれや動揺(揺れ)を与え続ける影響により、健康な歯が抜けてしまう可能性があります。ちょうど、他人に両肩を持たれて揺らされているような状態です。揺れに耐えられなくなった歯はやがて倒れてしまいます。

こういった不具合を回避するためにも、不調を感じたらすぐに修理を依頼したり、定期的な検診に通うことが歯を長持ちさせるうえで大事だと言えます。

見た目が悪い

部分入れ歯が忌避される最もな理由だと思われます。部分入れ歯は金具と樹脂でできていますので、どなたが見ても一目瞭然かと思います。

近年では、自由診療で様々な形態・素材の入れ歯やインプラントを選べるようになってきましたので、そういった影響からも部分入れ歯は見た目が悪いという風に言われます。

ただ、ご自身の健康にも関わりますので、歯が無くなったら最低限部分入れ歯は装着すべきだと考えられます。

毎日の清掃が欠かせない

部分入れ歯も歯と同様に汚れます。ですが、つけ外しするのを嫌ってずっと着けたままにしておられる方もおられます。衛生上やエチケットの面でも良いことではありませんので、必ず定期的に洗浄剤などで清掃する必要があります。

以前よりも歯磨きに加えて清掃に手間がかかってしまうため、入れ歯をしたくないという方も多くおられます。

部分義歯

入れ歯を正しく装着しましょう

継続した入れ歯の使用が重要

何事も途中でやめてしまったり、ないがしろにしてしまうと良い結果にはなりません。部分入れ歯も同じで、面倒臭さや煩わしさがあるものの、その効果が実感できるのは継続して使っていただいた場合だけです。

長期的に継続していただくことで、残った歯を大事に扱うことができたり、健康寿命の延長に寄与することができます。入れ歯についてお困りの際は、お気軽に医院にお越しください。